日本に戻って早くも5年半経ってる。Time flies like fruit flies.
この前 naïveの意味について書いたけれど、日本に戻って、学会やセミナーなどで非常に非常に気になる英語について一つだけ書いてみる。
多くの日本人が、”What to say” “How to say”を会話の途中に入れるけれど、あれは、和製英語で、USで言っている人を聞いたことがない。激しい人は、センテンスごとに、what to say, what to say, what to sayと言っていて、僕は、知らんがなそんな、とか思った記憶がある。あれって、間違いなく、日本人が他の日本人が使っているのを見てそれが伝染していっているんだと思う。あれは国際的な場ではやめた方がよいと思う。
一般に、”filler words”として、well, you know, like, uhh, mmm みたいなのがある。USでは、やたら “you know”連発する留学生が多いのは有名。僕もどうしても癖というか沈黙をうめるために、filler wordsを使ってしまうんだけれど、一般にセミナーなどではfiller wordsはやめなさい、という指導がUSでは行われる。Filler wordsを使う = プロフェッショナルじゃない、みたいな印象がある。
発音のことを書いていて思い出した。これは誰かもどこかで書いていた気がするけれど(タモさん?)、日本人のほとんどが、コントロールっていう時に、前にアクセントを置くんだけれど、あれも日本以外で聞いたことがない。普通、後ろのロールにアクセントがある。あれも、日本人が日本人の英語を聞いてそれが伝染していっているんだと思う。
What to say, how to say, 日本版コントロールにしろ、日本にいると、間違いなく聞く機会が多いから、なんとなくそれが正しい、みたいな感じになってきて、無意識にも僕自身言ってしまいそうになる、
まあ、コントロール問題は、Japanishとしてオッケーだとは思うけれど、what to say, how to sayだけはやめた方がよいと強く思う。ああいうのってただの癖だから。
こういう指摘をすると、たまにUSにいた時は何も言われなかった、みたいな反応があるんだけれど、USでは人の発音について指摘するのはご法度というか、racist扱いされるからね。僕も親しいアメリカ人に発音について指摘してくれと何度も言ったんだけれど、よっぽどじゃないと、指摘してくれない。
ちなみに、僕が人生で一番恥ずかしい言い間違いというか勘違いは、ポスドクの時にボスと会話している時に、遺伝学のpenetrance(表現系がどれくらいの頻度ででるか)を、ひたすらpenetrationと言っていたこと。ボスがpenetranceというたびに、僕は、”yeah, penetration is ---“と言って、それに対してまたボスが “penetranceがなんとかかんとか“と言って、僕がさらに “oh, yeah, penetration is ---.”と言っていた。横で聞いていた大学院生が、あれはヤバかったね、とめっちゃウケたとあとで教えてくれた。USでは日常用語でpenetrationというとほぼ性的な意味でしか使わないから。そんな僕の恥ずかしい間違いに対しても、ボスは、その言葉はおかしいよと決していうことなく、ただただ正しい言葉を使ってリスポンスを返してきただけだったのである。
あと、なんか書いていて思い出したけれど、「一時的な」の意味で、”transient”と言っていたら、仲の良い友達に「君はサイエンスやりすぎだ」と笑われたこともあった。Transientは日常的には付かなくて、フツー、temporaryなんだって。